理研などが藻による除染装置開発(読売)

興味深い記事だが後半のコストに関する部分などがネット記事では省略されているので、合わせて以下に引用しておく。

 理化学研究所(埼玉県和光市)と筑波大、慶大などの研究グループは水中の放射性セシウムを藻に吸着させて取り除く装置を開発した。

 9割近くのセシウムを吸収した実験結果も得られており、東京電力福島第一原子力発電所事故で飛散した放射性物質の除染作業への活用が期待される。今月中に福島県内の水田で実証実験を始める。

 新たに開発した装置は、藻を短時間で培養させるため、光を1メートル四方で厚さ約4センチの大型レンズで集め、光ファイバーを通じて送る。二酸化炭素も供給できるようにして藻の光合成を促し、セシウムの吸収量を増やす。1リットル当たり300ベクレルの汚染水3リットルを、円筒形の水槽に入れて実験したところ、3日間で9割近い放射性物質を取り除く成果があった。

(2012年4月4日07時50分 読売新聞)

↓ネット記事では省略されている後半部分。

 実証実験を行う水田ではセシウムを土や泥からはがすため、水を張り、アルカリ性の肥料をまく。藻と光ファイバーが入った円筒形の水槽に水田の水を入れ、アルカリ性になって分離しやすくなったセシウムを藻に吸着させる。藻は乾燥すれば、体積が減るため、放射性物質を吸着させる鉱物のゼオライトを使った場合よりも処理しやすくなる。

 装置は単純で、大型レンズを量産し、費用を抑えることができれば、数万円程度ですむという。

 中心になった理研の和田智之(さとし)ユニットリーダー(光工学)は「太陽光や藻を使うので、コスト削減が期待できるだけでなく、環境への負荷も小さい。最終的に原発事故前の水田に戻すことが重要だ」と話している。

(2012年4月3日、読売新聞朝刊、社会面)