山本太郎氏の共産党批判の波紋

「3.10さよなら原発北九州集会」で広瀬隆氏と山本太郎氏が瓦礫受入れを決めた北九州市の対応を批判し、山本氏は共産党を名指しで批判した。
村上さとこ氏のブログによると、広瀬氏は北九州市の状況を把握しておらず、村上氏に聞かされたことを鵜呑みにしてアジ演説をぶったようだが(※1)、あの集会で瓦礫問題を語ることの政治的(党派的)意味を、広瀬氏は理解していたのだろうか?
山本氏や村上氏は、承知の上でわざとやった?
山本氏や木下黄太氏の尻馬に乗って共産党批判の連続ツイートをした御堂岡氏は、その意味を理解していたのだろうか?

山本氏の演説には野次が飛び、一部参加者が抗議して途中退場する騒ぎとなったが、その後始末をめぐってまだ揉めているらしい。村上氏が23日、以下のツイートをしている。

村上さとこ @murakamisatoko
3.10さよなら原発北九州集会で、山本太郎さんががれきについて発言したことについて、話し合いが持たれる予定。 pic.twitter.com/eiKbmneUYY
2013年3月23日 18:34

村上さとこ @murakamisatoko
山本太郎さんのがれき発言は参加者の気持ちを逆なでしているとの意見。広瀬隆さんに「北九州の貧乏人」と何度も言われ気分が悪かったとの意見が出ている。
2013年3月23日 18:44

村上さとこ @murakamisatoko
@fuyumi_kay 若干、内容を訂正し、さよなら原発北九州HPに掲載するそうです。「震災がれき問題への言及、特定の団体を名指しで批判するという予期もしない発言」があり「参加者の気持ちを逆なでするような太郎氏の発言」は残念、という内容。「責任はすべて実行委員会にある」と。
2013年3月23日 23:22

村上さとこ @murakamisatoko
@fuyumi_kay 今日の実行委員会では太郎さんへの批判がほとんどでした。「非常識」「本人の謝罪コメントが必要」など。しかし、「正論を聞いて良かった」「太郎さんへ向って、帰れ、と野次を飛ばした人の方が失礼」などの集会参加者からの意見も多かったのです。
2013年3月23日 23:26
(引用中の強調文字は引用者による。以下同様。)

この一連のツイートを見ると、村上氏は地雷原に踏み込んでいるという自覚がないようだ。あるいは確信犯なのか。

あの集会で瓦礫問題を語ることの政治的(党派的)意味とは何か。資料によって事実確認をしておく。

一般紙の報道

東日本大震災:「原発ゼロ」に 市民ら、再稼働反対訴え集会 /福岡>
毎日新聞 2013年03月11日 地方版

 東日本大震災から2年を前に、脱原発を訴える集会(実行委主催)が10日、小倉北区城内の勝山公園で開かれた。「原発ゼロ」を訴えるのぼりを持った市民らが原発再稼働に反対の声を上げた。

 集会では、全国で脱原発運動に携わる俳優、山本太郎さんや作家の広瀬隆さんらによる対談が行われた。山本さんらは九州電力は値上げ申請の一方で、玄海原発の維持費などに巨額の費用を見込んでいる。これに、皆さんのお金が充てられる」と電力会社の姿勢を批判。北九州市宮城県石巻市の震災がれきを受け入れ、焼却処分していることにも反発の声を上げた。

 また、原発事故後に福島県いわき市から北九州市に避難してきたという塚本神子(みこ)さん(48)も「国は、福島の汚染の真実と住み続けるリスクを伝えるべきだ」と述べた。【曽田拓】

〔北九州版〕
東日本大震災:「原発ゼロ」に 市民ら、再稼働反対訴え集会 /福岡− 毎日jp(毎日新聞)

資料:広瀬氏と山本氏が瓦礫問題に言及し、共産党批判したことに喝采を送るNAZEN福岡のブログ

 ・広瀬隆さん(右)と山本太郎さん(左)トークライブ

 集会は、安倍の再稼働宣言と対決する集会であると同時に、1年を残して中止・断念に追い込んだ反ガレキ闘争1年の激闘の勝利と意義を確認する場になりました。

 特に、広瀬隆さんや山本太郎さんから、「再稼働を止めよう」という訴えと共に、ガレキ問題の重大さと、昨年3・12市議会でのガレキ受け入れ決議が全会派一致で決定されたことへの強い批判と苦言が出されました。民主党はもちろん、原発をかかげながら賛成した日本共産党社民党への批判は当然です。

☆さよなら原発!3.10北九州集会のご報告・投稿です! - ☆★すべての原発いますぐなくそう!〜NAZEN福岡のブログ★☆

douroutiba @douroutiba
☆さよなら原発!3.10北九州集会 広瀬隆さんや山本太郎さんから、「再稼働を止めよう」という訴えと共に、ガレキ問題の重大さと、昨年3・12市議会でのガレキ受け入れ決議が全会派一致で決定されたことへの強い批判と苦言が出されましたhttp://blog.goo.ne.jp/nazen-hukuoka1114/e/e974b48fd707b6916f89303662bdf018
2013年3月12日 22:36

NAZENのブログを紹介しているdouroutiba氏のプロフィール
douroutiba @douroutiba
動労千葉を支援する会
http://www.geocities.jp/dorosien28/


資料:動労千葉、NAZENとは (Wikipediaから)

国鉄千葉動力車労働組合(こくてつちばどうりょくしゃろうどうくみあい、英称 : National Railway Chiba Motive Power Union, CMU)は、日本の労働組合の一つ。中核派の影響下にあるとされる。

国鉄千葉動力車労働組合 - Wikipedia

革命的共産主義者同盟全国委員会(かくめいてききょうさんしゅぎしゃどうめいぜんこくいいんかい、通称:中核派、ちゅうかくは)は、革共同系の日本の新左翼党派の一つ。
(略)
2012年現在、「脱原発」運動および「震災がれき受け入れ反対」運動への介入を通じて市井の市民や学生をオルグしている。学生団体「NAZEN」(正式名称:すべての原発いますぐなくそう!全国会議)が中核派の窓口である。NAZEN代表は「全学連」議長の織田陽介氏。

革命的共産主義者同盟全国委員会 - Wikipedia

中核派、NAZENと山本太郎氏の関係

昨年6月に作成されたTogetterまとめ「basilsauce バジル氏推奨の救援連絡センターについて調べてみました」には、山本太郎氏が反原発運動にのめり込むなか、NAZEN代表・織田陽介氏と関係が生じていたとの指摘がある(ツーショット写真やデモ行進で並ぶ二人の写真も掲載されている)。反原発運動に取り組む上で瓦礫問題は譲れないという山本氏の認識に、中核派がどの程度影響を与えているのかは、なんとも言えない。
山本太郎氏と中核派の関係を詮索するのは当ブログの趣旨から逸れるので、山本氏は中核派の学生団体「NAZEN」代表と2011年から交流があったという事実のみ指摘しておく。

村上さとこ氏と中核派の関係

昨年5月、瓦礫受入れ反対運動に中核派が関与していると指摘された際の「がれきSTOP北九州!子どもを守ろうプロジェクト」のリアクションは、一言のみだった。曰く、

「前進」と北九州子供を守ろうプロジェクトは無関係です。

震災ひなん者お話の会: 「前進」と北九州子供を守ろうプロジェクトは無関係です。

(「前進」とは中核派の機関紙名。)
この文を当時最初に掲載した記事「http://hinanohanasi.wa-sanbon.com/sayokusennyuu.html」はその後削除され、ブログそのものが消滅した。上の引用は、同じ文章を掲げる後継ブログ震災ひなん者お話の会から。

訂正加筆
「「前進」と北九州子供を守ろうプロジェクトは無関係です。」の一言を掲載していたのはブログのトップページで、http://hinanohanasi.wa-sanbon.com/sayokusennyuu.htmlには写真入りで以下の文が掲載されていたようだ(※3)

前進という左翼系HPで取り上げられていたけど仲間じゃないよ。
この写真を見て下さい。

(写真)

ここ!

ベビーカーの赤ちゃんがいっぱい!
左翼活動に赤ちゃんが動員されたとしたら史上初めての例でしょうね。
前進さん、お疲れ様でした。

追記(03-27)
(※3)http://hinanohanasi.wa-sanbon.com/sayokusennyuu.htmlの内容は上の引用で間違いない。ブックマーク(2012/06/05)に記録が残っていた。
前進という左翼系HPで取り上げられていたけど仲間じゃないよ。 この写真を見て下さい。 ↓ ↑ ここ! ベビーカーの赤ちゃんがいっぱい! 左翼活動に赤ちゃんが動員されたとしたら史上初めての例でしょうね。 前進さん、お疲れ様でした。 その記事 ↓ 「前進」北九州で放射能汚染がれき試験焼却に大反撃、搬入実力阻止したぞ!

はてなブックマーク - 「前進」と北九州子供を守ろうプロジェクトは無関係です。 - がれきSTOP北九州!

「震災被害者お話の会北九州」や「主催者村上の声明」、「3人の子供がいる同市門司区の主婦、村上聡子さん」について言及している。


追記(リンク3件と追加情報)(03-27)

団体名は伏せて「がれきSTOP北九州!」と思しき団体の問題を指摘し批判する記事。

上の記事を受けて「がれきSTOP北九州!」の不審な点を指摘する記事。中盤の(怪しい記述その2)に、http://hinanohanasi.wa-sanbon.com/に関する批判がある。中核派との関係疑惑を指摘されたのに理詰めで反論せず、ベビーカーの赤ちゃん写真を載せて情緒に訴えているだけ、と。

「がれきSTOP北九州!」には中核派のメンバーが参加していたという証言(2012年6月11日)。証言の元ツイートは未確認だが、参考情報としてリンクしておく。

なお、信夫山ネコ氏の記事コメント欄には、村上さとこ氏に関する情報が多数投稿されている(村上氏の愛称は「マリバロン」)。北九州市の瓦礫受入れ反対運動で村上氏がリーダー格となった経緯について、2012-12-19(19:48)の杉影氏が興味深い証言をしている。


「がれきSTOP北九州!」と御堂岡氏の関係

これについては、私の過去ログ(2012年06月05日)から引用しておく。

[御堂岡啓昭][放射線]Ani2525氏を6/2にガイガーカウンター講習会の講師として招いた人物が、「前進」(中核派)は仲間じゃない宣言。 / “「前進」と北九州子供を守ろうプロジェクトは無関係です。 - がれきSTOP北九州!” http://t.co/4R4dZHf7
debriani 2012-06-05 11:10:34
[御堂岡啓昭]主催者が「村上」、募金口座は個人名の「カワチサトエ」、連絡先はGmail(hinanohanasi l)(メール管理は「長谷川」)。 / “がれきSTOP北九州!子どもを守ろうプロジェクト” http://t.co/Q2ZpruA4
debriani 2012-06-05 11:19:40
よくわからない団体だが、御堂岡(Ani2525)氏が一時宣伝してカンパ募集していた「熊本に放射能測定室をつくる会」よりは中身があるのかも(活動実態があるという意味で)。知ったかぶり素人の御堂岡氏を講師に招くようでは底が知れているが。→がれきSTOP北九州!
debriani 2012-06-05 11:24:56
追記(03-27)
「Ani2525氏を6/2にガイガーカウンター講習会の講師として招いた人物が、「前進」(中核派)は仲間じゃない宣言」について補足。
twitterで講習会の告知をしたのはhiromi (love peace)(@hiromi_8)氏で、この人はハイキブツバスターズ北九州の関係者らしい。では「がれきSTOP北九州!」は関係ないかというと、告知文にある申込受付が「河内」で「がれきSTOP北九州!子どもを守ろうプロジェクト」の募金口座名義が「カワチサトエ」。「がれきSTOP北九州!」が講習会の主催団体(あるいは共催団体の一つ)だったということだろう。
hiromi (love peace) @hiromi_8
ガイガーカウンター講習会 6/2(土)10時〜11時 質疑11時〜11時半 講師 御堂岡啓昭@Ani2525氏 参加費500円 門司区司町3−18 門司文化服装学院 問090-4584-7071新田 申込受付は河内までusaginoutatan@gmail.com #北九州市

2012年5月29日 23:01


追記(03-29)
hiromi_8氏の告知から3日後の6月1日にgarekiaction94氏も告知ツイートをしていた。
このアカウントが当時名乗っていた団体名は「北九州がれきアクション」、現在は「九州ひまわりプロジェクト」(代表:村上さとこ氏)。


村上さとこ氏と御堂岡氏(?)の関係

 (村上氏と肥満体型の「くまモンのツーショット写真が掲載されている。)


御堂岡氏の中核派批判

中核派、NAZENと山本太郎氏の関係で参照したTogetterまとめ「basilsauce バジル氏推奨の救援連絡センターについて調べてみました」には、御堂岡氏の中核派批判発言が収録されている。

御堂岡啓昭さん
北九州市の普通の主婦さん主催の討論会に参加。中核派、勝手過ぎるってみんな怒ってるんで、放り出して抗議したら?とは言っておいた。一般人の集まりには中核派止めて、参加しようよ。北九州はスタート遅かった、だから、止められてない。だが急成長はしてて頼もしい。
Ani2525 2012-06-02 21:42:04


北九州のママさん達に外部からアドバイスしたり誘導したりしたのは、山本太郎さん、木下黄太さん、今も回ってる私の三名。ほかは北九州の一般人。そこの北九州の一般人に中核派が一部いると言う形でリーダーグループにはひとりもいないです。ニセ情報流してるのは誰だろ。
Ani2525 2012-06-03 12:42:50


↑ いや、ですから山本さんや木下さんこそが中核派と近い存在という証拠がこれだけ出てきているわけで・・・

basilsauce バジル氏推奨の救援連絡センターについて調べてみました - Togetter

「いや、ですから山本さんや木下さんこそが中核派と近い存在という証拠がこれだけ出てきているわけで」というのは問題のあるコメント。まとめの中に木下氏と中核派の関係を示す記述はまったくない。それとは真逆の、「ガレキ反対運動を、中核派が利用している話を聞きました。(略)政治目的に利用する団体はノー」(2012-05-27)、「北九州のガレキ反対運動を中核が勝手に利用しようとした構図はもちろん許せません」(2012-05-29)という木下氏の怒りのツイートは収録されているが。(誰でも編集可能なまとめで、Togetterには編集履歴がないので、誰の書いたコメントなのかはわからない。)

上に引用した御堂岡氏の中核派批判は、日付から見て、木下氏の尻馬に乗った発言と思われる。

「北九州のママさん達を外部から誘導した」三人衆

御堂岡氏は北九州の瓦礫反対運動について「外部からアドバイスしたり誘導したりしたのは、山本太郎さん、木下黄太さん、今も回ってる私の三名」と、さも自分が山本氏や木下氏と同格の重要人物であるかのような自慢話をし、「リーダーグループには(中核派は)ひとりもいない」と疑惑を否定しているが、実態不明の「リーダーグループ」なるものを誇ってもなんの説得力もない。

山本氏のように、集会の場で壇上からいきなり共産党批判をして諸団体の共闘関係に亀裂を入れて中核派を喜ばせるようなことをしていれば、結果的・実質的には中核派の協力者でしかない。

木下氏は「北九州の母親たちの活動が「中核派」だと虚偽の話をネットで吹聴しているのは、さらに許せません」(2012-05-29)と言う。が、広瀬氏らに瓦礫問題について演説するよう働きかけて、結果的に

集会は、安倍の再稼働宣言と対決する集会であると同時に、1年を残して中止・断念に追い込んだ反ガレキ闘争1年の激闘の勝利と意義を確認する場になりました」
と、中核派の宣伝に利用させたのは、他ならぬ「北九州の母親たち」の一人、村上さとこ氏だったことも事実である。

今後の注目は

当ブログの趣旨からだいぶ逸れてしまった。
いわゆる共産党系の弁護士や医師を自分の後ろ盾であるかのように自己宣伝に利用していながら(※2)山本太郎氏、木下黄太氏の尻馬に乗って共産党批判をぶち上げた御堂岡氏の、明日はどっちだ? という辺りに注目しつつ推移を見守ることにする。

 「責任はすべて実行委員会にあります」という総括文が、3月25日昼前に掲載された。


(※1)広瀬氏が当日まで北九州の状況を知らなかったというのは、村上氏の公式ブログに記述がある。

このトークセッションの前に、私はおふたりに挨拶に行って、北九州の状況をお話ししました。

太郎さんにはよく知った北九州市の状況ですが、広瀬さんには市議会が全会派一致で可決したことや、「脱原発=脱被曝」であることが理解されていないことは初耳だったのです。
それを知った広瀬さんはそのことに怒り、
「バカな!太郎君、これはがれきのことを絶対に言わなくちゃだめだ」
という流れになったのです。
村上さとこ 公式ホームページ: 必見:3・10さよなら原発北九州集会

Twitterでも同趣旨の発言をしている。
村上さとこ @murakamisatoko
(3)「事前に広瀬さん、太郎さんに根回ししてがれきのことを言わせないようにできなかったのか」という意見も出ていますが、すみませんね、広瀬さんに言わせるようにしたのは私です。選挙の時もさんざん言ってきましたが、たくさんの人に言ってもらって北九州市の人が気が付かないとだめです。
2013年3月11日 17:34 (丸囲み数字は文字化けするので (3) と置き換えた。)
村上氏は瓦礫受入れ反対派の活動家なのでこれは手柄話のつもりなのだろうが。これは、導火線に火を着けたのは私です、と告白しているのと同じである。
(村上氏は、落選したとはいえ市議選にも立候補した人なので、活動家というより政治家というべきなのかもしれない。)


(※2)御堂岡氏が、いわゆる共産党系の人たち(弁護士、医師)を自己宣伝に利用していた件については、御堂岡氏の共産党批判と「熊本市に放射能測定室を作る会」参照。


(この記事内の引用中の強調文字は、すべて引用者によるものです。)